孤独(ひとり)では無い

雨に濡れた街角に、彼女は一人佇んでいた

先程までの雨は漸く上がり、薄く光が差し始めていた

ざわめきを取り戻す街、しかし彼女の瞳は虚ろであった

・・・・私は空っぽだ・・・

全てをかけた夢は脆くも崩れ去った

愛した人達は今は遠い

思い出も何もかも・・・今は悲しい

思えば私に幸せな時などあったのだろうか

人付き合いの苦手な、要領の悪い、何時も他人の引き立て役ばかりの人生

ほんのささやかな夢だった、叶えるために初めて本気で挑んだ

力及ばなかった・・・私はその程度の人間だ

街行く人達の幸せそうな笑顔が痛かった

もう良い、終わりにしよう

ポケットから小瓶を取り出す

栓を開けようとした時、突然声がした

『ああ、もしもし』

・・・私ですか?・・・

『そうそう、貴女、何やら思い詰めているようですが』

・・・あなたに関係ありません・・・

『そう仰有らずに、此処でお話しするのも何かの縁です』

(何とありきたりの台詞だろう、もっとマシな言葉を知らないのだろうか)

彼女は呆れる

『ウザい奴だと思われたでしょう、しかし、私の話を聞いて損はありませんよ』

(駄目だ・・・出来の悪い営業みたいだ、適当にあしらおう)

・・・なんのお話ですか・・・

『お見かけした所、あなたは大変お悩みがあるようで、どなたにもご相談出来ないのでは無いかと判断いたしました』

(変な言葉遣い、何者?)

『おそらく貴女は、とても孤独な人では無いかと推察いたします、私はそんな貴女に貴女を支える、沢山の仲間が居ることを教えて差し上げたいと存じます』

(新手のマルチのセールス、新興宗教かしら?)

『唐突ですが、貴女の体は如何ほどの細胞が集まって出来ているのかご存じですか』

・・・知りません・・・

(ホントに唐突だ、医薬品のセールス?)

『人体の細胞数は37兆個と言われています、かつては60兆なんて思われてた時もあったようですが』

・・・実感の湧かない数字ですね・・・

『とても沢山の数だと思って居て下さい、此処が重要ですから』

『ところで、貴女の体の中にいる腸内細菌などの常在菌はどれ程の数だと思いますか?』

・・・100億個くらいかしら・・・

『とんでもありません、実は貴女の腸内細菌は100兆個、体細胞の3倍弱の数です』

『良く善玉菌とか悪玉菌とか言われますが、これらは全て常在菌で、どちらが無くても具合の悪いものなのです』

『例えば食事の量は割と不安定で、沢山食べる時や余り食べない時がありますね』

『沢山食べた時は、できるだけ早く摂取したものを排出しようと、善玉菌が働きます』

・・・・?・・・

『逆に食事の量が少ない時は、少ない食物からできるだけ栄養を取り出すために悪玉菌と言われるものが活躍するのです』

『善玉だの悪玉だのは人間の浅知恵で区分しているだけで、常在菌はそれぞれに役割があり、人の体を健康に保つために働いているのです』

・・・健康の話に興味は無いの・・・

『常在菌は、体の健康だけではありません、実は心の健康も常在菌の働きなのです』

『良く腹の虫が治まらない、等と言いますが、腹の虫、常在菌は心の動きに大きく影響を与えます』

『特に幸せホルモンと言われるセロトニン、これは腸にある常在菌の働きで生成されます、何時も笑顔で明るい人は、腸の中の細菌の応援があるからなのですよ』

・・・それでは私が不幸なのは私の腸内細菌が私を見捨てたからなの・・・・

『違います、貴女が腸の声を聞かないから、腸内細菌は貴女のために働けないのです、貴女の体の中にいる100兆個の生き物は全て貴女の幸せを願っているのです』

『貴女を作っている37兆個の細胞と貴女の体の中にある生き物は全て貴女の味方なのです』

人の体の働きのみならず、心の動き、幸せにまで体の中の微生物が関わっている、

私は一人では無い、目には見えないけれどたくさんの命が私のことを見守っているその事実を知った時、彼女の心に微かな灯りが点った

もう少し頑張れるかも知れない・・・

我に返った彼女はあらためて話しかけてきた謎の人物の姿を見つめた

彼の人は、人相風体どころか性別年齢すら特定しかねる異容の人物であった

そして、彼女の視線を受け、その姿を徐々に変え始める

その姿はまるで黄金に輝く大蛇の如く・・・いや少し違う、腸内細菌の精と言えば・・・

いやぁぁぁぁ!

彼女の悲鳴が響き渡る・・・そしてポケットの中のユンケルが開けられることは無かった

 

団子食べたい田部権田

田部権田って誰だ・・・意味が通じなきゃ回文にならないよ

年に何回か餅つきをします

何故かその度に餅取り粉を購入して、中途半端な使い掛の粉類がありますので

一気に片付けてやろうとばかりに、丁度小豆の缶詰もあることだし、団子にでもしてみようと考えました

粉類全部纏めてみると500g・・・よく溜め込んだもんだ

分量の水と混ぜ合わせますが、此処で失敗、堅くならないように砂糖を入れたのですが、その分水を減らさないと柔らかくなりすぎます、慌てて小麦粉を追加・・・しかし薄力粉・・・少し緩くなります

それでもまぁ適当にやれば出来るものです

他人様にお勧めできるものでも無いので製造工程は省略します

醤油を付けて焼いてみたら、少し甘い、善哉にするには良いでしょう

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お酒のあてにはなりそうも無いですね

最近はウィスキーを嗜みます、酒類全般に好みます、俗に言う”飲み助”これが《飲み助平》の略であることを知ったのはごく最近です

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特定銘柄が多いのは安価だからに尽きます、何しろ税込み900円でおつりが来ますから

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このスコッチは彼のオールドパーなる高級酒と同じく充填防止の栓が付いています、千円でおつりが来るウィスキーボトルにわざわざ詰め直す酔狂がいるとも思えませんが

悲しい酒、酒と涙と男と女、夢追い酒、名曲ともなれば尚更、お酒にまつわる歌は何気にうら寂しいものが多いと感じます

しかし私は悲哀を紛らすため、憂さ晴らしなどのために酒を飲むことはありません

只美味しさを求めています、アルコールがあれば何でも良いと言う訳にもまいりません

スコッチウィスキーは製造工程が厳格に定められているため、大きな外れはありません、かといって画一的な訳でも無いので、安価なものでも充分に楽しめます

駄目なのは日本酒です、特に大きなメーカーのものは酷いものが多い、地方の酒蔵の地酒はそれぞれに特徴があり、例外なく美味ですが

日本酒はワインなどより遙かに温度管理を厳格にする必要があると聞きます

なので、日本酒は主に晩秋から早春にかけて楽しみ、その他の季節はもっぱらウィスキーです

ワインもたまに試しますがフランス産は好みません、フランスワインは日本の食文化との相性が悪く感じます、醤油系の味付けと、魚介類には全く合いません、イタリア、スペインなどのものは割といけます、地中海は魚介の宝庫ですからね、お魚に合うものが多い、和食との相性ならば真面目に作った国産ワインが最上とは思いますが

団子のお話からお酒のお話に強引に持って行くのは無理を感じます

本日父の日、我が誕生日と同様、好きなものを作って良い日と解釈しています

本日の献立、あじの開きに鰹のたたき、お刺身もう一品、お魚づくしですね

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手作りのツマはやや乱雑

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一応地元の道具を

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大葉が無いので胡瓜で代用

そしてデザートは・・・団子です

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空梅雨つらか・・・

博多弁ではありません、回文です

空気が爽やかなのは大いに結構ですが、降る時に降らないと水不足やら農作物の出来やら、色々と心配事が出てきます

経済経済と仰有いますが、人間食べる事が第一です

食い物が足りていれば無駄な争いも起こらず、平和に暮らせるというものではありませんか

此処で耳寄りな情報があります

人間、それほど食べなくても生きていけるらしい

先般から高血圧が絡みで参照させて頂いているwebサイトの管理人さん

岐阜県在住のお薬屋さんらしいですが、お薬の売り上げに到底寄与するとは思えぬ情報を多々お持ちで、それを惜しげも無く公開されています、欲の無いお方だと思います、なので信用に足ると考えます

食べなくても良いお話を続けます

とりあえず私の一日当たりの必要カロリーですが

身長171の標準体重なので、単純計算で2447kcalとなります

ところが驚くことに、何と世界には1年以上の断食を行い(411日間)仕上げに山登りまでやってのけたという超人がお見えです、アメリカの調査団の目前で行ったとのことですが、いくら何でも411日間も観察し続ける訳にもいかないと思うので、何か怪しげではありますが

食べない人は、日本にもお見えです、とある難病のため食べる事が出来ない、が正しいのですが

この女性、一日僅か青汁一杯(60kcal)で睡眠4時間、普通に働き身長153センチ、体重60㎏のぽっちゃり体型だそうです

特筆すべきは腸内細菌、このお方、食物繊維とアンモニアからアミノ酸を生成できる「クロストリジウム菌」という細菌をお持ちのようです、普通の人にも少々は存在するようですが、この方の場合は通常の100倍と桁違いの量です

つまり・・・

そのような腸内細菌を保持することが出来たならば、牛やヤギの如く雑草や藁を食べて充分に生きていけると言うことなのです

朗報と言うべきでしょうか、もしも路頭に迷い、食べ物すら口にすることが出来なくなった時に、そのような体質を得ることが出来たなら、少なくとも餓死の恐れは無くなります、道端の草を食べても怪訝に思われることはあっても、罪に問われることは無いでしょう

しかしながら、やはり私は普通の食事が普通に食べたい

好き嫌いは殆どありませんが、これからの季節、夏野菜の美味しい季節です

必要栄養素を自分の体で作る、人体の不思議は感じますが、自然のものをより美味しく頂く、その楽しみも棄てがたく思うのです

何か纏まりの無いお話です、何が言いたいのか分からなくなっています

唐突ですが、嬉しかったことを一つ

とあるツイッターの書込ですが

・・・元沖縄県知事の大田昌秀さんの訃報はとても悲しく寂しい気持ちになりました。心よりご冥福お祈り申し上げます。今朝はこの国の将来が不安になるような法律がまた一つ可決。わざわざ言うことをためらっていたけど、今日は呟こう。やっぱり今の政権は好きじゃ無い、裸の王様みたい。・・・

この文面に、14の(私を含め)いいね!があったのですが、その中に我が姫の名前が・・・

普段はそういう方面の意思表示は全く見ることはありません、アーティストは作品で語るべき、その思いがあるのでしょう。

無論、作品に触れてみれば、その平和や自然への思いは強く感じられ、彼女のファンも同じ思いを持つ人達です

しかし、事此処に至れば、この意思表示はとても嬉しく、心強く感じます

闇が深く、嵐が強くなれば、灯台の灯りはより輝きを増します

悪しき出来事の側に、必ず良きことが寄り添うものです

 

 

来週も夜勤だから3連発

正確に言えば深夜勤、午前0時からの勤務です

便秘がキツくなること以外特に問題の無い勤務です・・・体質ですね

3連発其の壱・・・高血圧、薬飲みますか?

数年前から高血圧気味です、上は170以上有る時もあり、下は110前後

健康診断では今死ぬすぐ死ぬ薬飲めと散々脅されます

義兄からも、私にまで何かあったら大変だから、病院で検査を受けてくれ・・・と懇願されました

で、・・・今週には病院へ行って相談をしようと思っていたのですが・・・

彼の振り込め詐欺で本人からの電話に本人が出てしまうという、説明が難しい事件に巻き込まれたゆるキャラO君、今度は親戚のお葬式が入ったとかで2日間ほどのお休み

別に親戚の葬式で、近い人ならおかしくもありません、問題は私の職場

どうしようもなくギリギリの人員なので、誰かが休めば私達が時間延長でカバーするしか無いのです

これで2日間は潰れます、病院ともう一つの用件、は残り2日間で片付けるしか有りません※初日は体調が優れなかった為動きが取れませんでした・・・歳かなぁ・・・

しかし、高血圧の治療と言えば、降圧剤の服用で、無理矢理血圧を下げる治療が主流です、いくつか不安があります

一つは、私の便秘体質、以前労災事故での入院中に、手術のストレスからか痛風発作が起こってしまいました、で、その治療薬に利尿剤が含まれていたせいでとんでもない便秘に襲われることとなります、どんなに頑張っても硬い岩のようなものが引っ掛かった状態で、遂に排尿すら出来なくなってしまい、手術の痛みを凌ぐ苦難の事態と思われました、しかし、その後それを凌ぐ苦難が訪れるとは思いも依りませんでした

あの冷酷な主治医は、何と無花果浣腸を私に処方したのです・・・それも1/1スケールのフルサイズ無花果・・・それだけなら良いのです、医療用の干潮はどうやら素人が使ってはいけないらしい・・それも諦めます、しかし、よりによって館長する人がその年入ったばかりの新人看護師さん・・・私の娘とほぼ同年代です・・・これはしばらくトラウマになりました

余談が長いですが、要するに降圧剤は大半が利尿剤です、あの悪夢が蘇れば病院に向かう足も竦むというものです

もう一つは私の血圧の推移、普通は起床時が低く、仕事などの後は高くなるのですが、私の場合、最も低くなるのが疲れて帰宅した直後、辻褄が合いません

高血圧が気にはなっているので、食事は塩分を控え、野菜や果物を多く摂っています、その上で血圧が上がるのは言わば必然で、むしろ血圧を下げれば弊害が起こるのでは無いか、その疑念は以前から有りました

で、色々と調べてみると・・・

高血圧の基準値はかつては180~160程度でした

現在は130-80が一般的ですが、これは20代の若者の数値です

本来基準値とは、健康な人の95%が当てはまる数値で無ければならないはずです

今の基準値では60%以上の人が病人になってしまいます、医療費の国費圧迫が叫ばれているというのにこれはどうしたことでしょうか

因みに脳卒中の危険度は、確かに血圧の高い人に不利ですが、その差は1000人に2人程度(収縮時血圧125の人と175の人の比較です)煙草の方が遙かに危険です

そして、一番の問題は降圧剤の副作用で認知症が発症するリスクが高くなると言うのです、そして脳梗塞の危険も増加するとか

血圧が上がるのは体の隅々まで血を巡らせるため、体のシステムが求めていることなのです、そこで無理矢理血圧を下げれば血流に影響が出るでしょう

末端に血流が届かなければ障害となります、脳であればより深刻です

降圧剤のリスク、想像以上に危険を感じます

世界で製造される降圧剤の半分以上を日本人が消費していると聞きます

お上のご意向に逆らわない国民性でしょうか、自分の健康は自分が責任を持つ、その意識が必要です

ついでに健康診断で行われる数々の判定の基準値

要注意です

先程の健康な人の95%に当てはまるべき基準値が大幅に変更されているものがあるというのです

それが総コレステロール値

これは、とある製薬会社がコレステロールを抑える薬を発売すると同時に基準が大きく引き下げられたそうです

欧米では批判が殺到し、基準の見直しが行われましたが、日本では疑うことも無く唯唯諾諾、従いました

今年度より漸く少しまともな基準値に変更されるそうですが、この話を聞けば健康診断そのものが随分いい加減な物であると思わざるを得ません

3連発其の弐・・怒髪天を衝く

一昨日・・自治会役員の業務のため、ゆうちょ銀行を訪れました

自治会の会計通帳の名義変更のためです

自治会には通帳が3通有ります、当然金融機関は3つ

二つは何ら問題なく変更手続きが完了しました

問題はゆうちょ

自治会規約の不備を指摘され、名義変更が適いません

しかし、昨年、一昨年前回役員がゆうちょの要求事項に合わせるため規約の改定を行っています、当然他の役員からは、不満の声があります

当たり前です、皆忙しい中、時間を割いてボランティアで奉仕しているのです

何度か足を運んで、遂に今回、不適合になった項目の発効時期と通知の有無を問い合わせることと致しました

その回答は驚き呆れるものでした

改訂時期は昨年10月、文書発行は今年1月、そして顧客への通知は一切無し

普通は銀行口座の名義など余程のことが無い限り変わりません

しかし、自治体の役員は常に替わります、これは常識です

なので、頻繁に内容変更が必要な自治会などには迅速な通知が必要です

普通は自治会の総会は年1回、4月前後です、それ以前に通知があれば総会で規約等の変更が図れます、時期を外せば改めて集まる必要があり負担が増えます、そもそもそんな重要な事柄がろくな通知も無く行われることはあり得ないでしょう

克てて加えて、この出来事が頭にありました

大袈裟太郎さんの口座凍結問題

なんの罪も無い平和を愛するアーティストの資金口座をなんの通知も無く凍結する暴挙

この者達には金融機関の使命とか顧客の利益を守るとかそういう当たり前の視点が欠落している

目線は常に上を向いていて、私達の姿を見ることは無い

大いに怒りました、当然です

今後重要な変更が行われた時は必ず即時に通知を届けることを強く申し入れました、無論聞き入れてくれるかどうか、全く期待は出来ません

このことは自治会の集会で発表いたします、今後の事も考える必要があります

3連発其の3・・・切れるものだと思え

昨日の職場で、滅多に出来ない経験を致しました

ワイヤーロープの切断

金型に不具合が発生し、修理業者に送るための操作の途中でした

突然大音響と共にワイヤーロープが切れます

30㎝くらいの高さに吊り上げていた金型がそのまま保護シートを突き破って落下します

厚さ10ミリ程度の硬質ゴムは跡形も無く四散しました、コンクリートの床は5ミリ以上削り取られます

使用したワイヤーロープは4分のもの、基準は1.2tですが実際は7tに耐える寸法なので、特に不安はありませんでした

金型重量は2t少々、安全率からはさほど危険は感じなかったのですが

老朽化です、よく見ると所々に切れ目があり、早急に交換が必要なものでした

と言うか、所有するワイヤーロープ、ほぼ半数は繊維がはみ出し、線の切れた危険なもの

切れてみるとその恐ろしさを改めて実感します5tクレーンや6tを超える金型を日常扱っていますが、人間が耐えられる重量は僅か数10㎏、切れたワイヤーが人に襲いかかれば、人体などあっという間に挽き肉です

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クレーン操作には常に恐怖感が伴いますが、これは臆病で無く正常な感覚なのです

と言うことで、3つのエピソードを纏めてみたのですが、結果三千字超えでした

一つずつ記しても大差なかったようです

何やってんだか・・・

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鹿がお尻を囓りたがるのでは無く、鹿の顔のあたりにお尻があることに漸く気付きました

完治へ

昨日の義兄からの電話は喜びに溢れていました

2度目のカテーテル検査

大きな負担を体にかける検査だけに、不安がありました

しかし、その結果は

右脳に認められていた血管の異常箇所は、投薬治療の効果で完全に消えている

という、最高の診断だったのです

もはや再手術の必要は無くなりました、リハビリに専念するために近いうちにリハビリ専門の医療機関に移ることになります

頭蓋は外されたまま、本来ならばもう戻されて良いのですが、心臓手術直後3週間は手術などの行為は出来ないそうです

2ヶ月以内にリハビリに移行しないと、リハビリのプログラムが大幅に縮小される、そういう制度だそうです

なので、リハビリプログラムに一旦入り、その後時期を見て頭蓋を戻す手術に成るとか

リハビリ期間中はヘッドギアを付けて、と言うことです

一律に期限を決める制度には疑問がありますが、何とか最良の結果を得ることが出来たので、細かいことは気にしないでおこうと思います

昨日も姉と話しました、これで3回目

前回の検査では意識がはっきりせず、言葉も交わせなかったのですが、今度は意識を失うことはありません

そして、話を重ねる毎に声に張りが戻ってきているように思います

若い頃、一時期アナウンサー志望だった姉、NHKの面接にまで漕ぎ着けた事が記憶にあります

あの声は義兄にとってだけで無く、私にとっても掛け替え無いもの、全てを取り戻してくれることを期待します

私と言えば、相も変わらぬ変則勤務

慢性的な人手不足は、一寸した出来事でも大きな負担を生みます、今回はO君が急な用事で2日間の休み、我々はその時間をカバーしなければ成りません

病床の姉に気遣われています、体に気をつけてと、生死の境を彷徨ったばかりというのに尚ひとを気遣うことの出来る姉を誇りに思います

奇跡の脳~人間とは・・・

先日から義兄の薦める本を読んでいます

とりあえず読了したので感想とその内容に対する思索を此処に記します

題名は『奇跡の脳』作者は現存の脳科学者であるジル・ボルト・テイラー博士

インディアナ州立大学で神経解剖学を専攻し、博士号を取得、35歳で全米精神疾患連盟の理事に最年少で選ばれるなど輝かしい経歴を持つ優秀な研究者でした

こう紹介すると、難しい学術書のような内容を想像されるかも知れませんが、予想に反して、その内容は分かりやすく、興味深く、かつ感動的なものです

決して堅苦しい研究発表論文では無く、人体と人の脳に対する深い考察と愛情が感じられる内容

実は彼女、テイラー博士は、自らが深刻な脳出血に冒され、大脳の機能を大幅に失いながら、8年という長い歳月をかけて奇跡的に復活した経歴の持ち主

そしてこの本は自らの脳卒中の症状の推移を脳科学者の視点で観察し続けた、非常に貴重な物語なのです

物語は、先ず彼女の輝かしい研究者としての経歴から始まります

インディアナ州立大学で博士号を授与された後、名門ハーバード大学院へ研究者として招聘され、脳科学について研究を重ねる日々

何もかもが順調に思われたある日、彼女に最悪の危機が訪れます

先天的な脳動静脈奇形(AVM)による脳内出血、一人暮らしの彼女が、運悪く自宅で倒れてしまったのです

助けを呼ぶのにも長い時間が掛かりました、如何に脳科学者といえども、自らの脳が機能を失えば力を発揮することは不可能です

それでも薄れ行く意識の中で、自分に起こったことの意味を理解した彼女は、必死で助けを求めます、そして、最も信頼する脳外科医の名刺を準備、職場の仲間の機転もあり、希望した医師の元へ運ばれます

辛うじて一命は取り留めたものの、出血は脳の深い所にあり、そこでは血の塊が脳を圧迫し続ける危険な状態、しかし、大量出血で脳の機能を大幅に失った彼女に更に大きな手術は困難を極めます

出血が拡大しないのを確認して、脳機能、そして体力の回復を図る、最初の試練です

彼女の失われた機能、大半が左脳の機能でした、言語、計算、判断力など日常生活に欠かせない機能です

例えば本を読む、ゲームをする、洗濯をする、散歩をする、これらは全て左脳の言語能力、計算能力などに依存しています

洗濯をする、乾燥機を動かす、洗濯物を仕分けして畳む、アイロンがけする

全て計算能力が必要です、普段は意識しませんね、しかし、事実です

脳出血で左脳の殆どの機能を失った彼女、しかし、彼女は意外な発見をします

左脳が機能せず右脳の働きだけで過ごす日々

しかし、意外にもその時期、彼女は例えようも無い幸福の中に居ました

左脳の束縛を離れた右脳は、そのあるべき姿で彼女の心を満たし始めたのです

左脳は知識や行動を司ります、それに対して右脳は感性を司る

言葉で表現するのは難しいのですが、左脳の束縛を逃れたその瞬間、彼女は右脳の力で宇宙と一体化することが出来たのです

その世界は全てが優しく、愛情溢れる、暖かさに満ちたものでした

その時彼女は悟ります、私は私であって私では無い、宇宙そのものだ

私の中にある50兆個の細胞は全てが宇宙の営みと繋がっている

私の脳はその一部分、全身の神経(ニューロン)が伝達物質(シナプス)を通じて宇宙全体にアクセスしている

この考えは古くからあります

我が姫、池田綾子さん(彼女に対する憧れが姉に対するそれと等しいものだと知ったのはつい最近のことです)綾子さんの世界観、人の命は全て宇宙と繋がっている

彼女もまた、その真実への扉を開く人なのでしょう

とまれ、左脳を失った彼女が得た例えようも無い幸福感、これは彼女の回復に一つの指針を示すことになります

一般に神経細胞(ニューロン)は再生しないと言われています

ならば何故、障害を受けた人が回復できるのか

人の脳はその一割に満たない部分しか使われていないと言われています

子どもたちが遊ぶ公園を想像してみましょう

公園の広さ、遊具の数が限られていれば、そこで遊べる子どもの人数も限られます

今まで遊んでいた子どもが親の都合などで居なくなれば、今まで場所に恵まれなかった子どもたちにチャンスが訪れます

例えは変ですがそういうことでは無いかと考えます

彼女は、左脳の機能が回復する時、あるキーワードを与えました

嫌な流れを作る思考は再構築しない

良からぬ思考に繋がる回路を自らの意志で遮断したのです

若くして全米に評価される研究者としての地位と誇り

しかし、それにも代え難い幸福感、平和、愛、充足が右脳の支配する世界にはありました

そして、脳内にある血の塊の除去と、血管の修復手術のあと、彼女は望み通り右脳のもたらす幸福感を維持したまま、研究者として再出発することになります

彼女は言います

怒り、憎しみ、妬み、それら全ての悪しき感情は、自らの意志で制御可能だと

もしもあなたが、どうしようも無い怒りや苦しみに耐えきれなくなった時

大きく深呼吸してみて下さい、ゆっくりと、2回ほど、あるいは3回

約90秒で、神経から伝達される悪しき感情をもたらす物質は消え去ります

それから落ち着いて今の自分を見つめ直すのです

きっと最良の答えがあるはずです

彼女の病状は、重い心臓の病を抱えながら脳内出血という姉と重なる部分が多く感じます

姉も既に歩行訓練を開始しています

そして、昨日、少しぎこちなくはありますが、電話で姉と会話することが出来ました

術後僅か二週間程度、驚くほどの回復です

年齢的にはテイラー博士よりも不利ですが、処置までの時間は圧倒的に早かった姉、そして、何より博士に劣らない強さを持つ姉です、義兄の心から愛したあの声もきっと取り戻すことでしょう

『奇跡の脳』この本を読んで感じたこと

人の脳はその能力の殆どを使わずに終わる

これは、人が社会というものの制約を受けて生きている所為なのでは無いかと思います

人は全てが、神になる、悟りを開いた仏になる力を生まれながらに持っている

その能力を花開かせること無く終わるのは、我々の作ったこの社会があまりにも不完全すぎる所為なのでは無いのか

科学も文化も、あらゆるものが社会の制約の中にある

社会が理想的ならば、我々は今頃、狭い地球を飛び出し、宇宙の彼方に有ったかも知れないのです

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私は誰・・・

今回は、職場きってのゆるキャラ、アニオタO君のお話です

とある休日、いつものように自宅でアニメの鑑賞に勤しむO君、そこで唐突に電話のベルが鳴ります

『もしもし・・・○○(O君の名字)ですが』電話に出るO君

《もしもし・・・俺だけど》

『俺・・・?』

《俺だよ、Oだよ》

何と驚くことに、電話を受けた本人から電話が掛かってきたのです

想定外過ぎる出来事に言葉を失うO君、電話の声はさらに続けます

《実はクルマで事故ってさぁ・・緊急お金が要るんだよ》

《相手も怪我をしてるし、示談金も払わなきゃいけないし》

《とりあえず今、弁護士さんに来てもらってるから替わるね》

《ああもしもし・・弁護士の□□です、Oさんのお父様ですね》

『あ・・いえ・・』

《ご家族の方ですね》

『ええ・・まぁ・・・(本人だから最も近い家族だ)』

《今回の事故はOさんに非があり、被害者の方もお怪我をしておられます、できる限りの誠意を示さないと、Oさんの立場が非常に危ういものとなります》

《とりあえず最低100万円程度ご用意下さい、今から代理のものに伺わせますので、お願いします》

あまりの出来事に戸惑いながらも、人を疑うことを知らない純真で善良なO君

『お話は分かりました、もう一度替わって頂けますか』

《Oさんですね、はい、どうぞ》

《もしもし、Oだけど、何とか頼むよ、会社にばれたら首になっちゃう、何とか示談で済ませたいんだよ》

『大変だね、何とかしてあげたいんだけど、一寸分からなくなっているんだ』

《なんだよ、疑うのかよ、携帯番号が違うのは、事故で壊れた所為だし、俺も事故で体を打って声が出しにくいんだよ、勘弁してくれよ》

『いや・・そうじゃなくて・・今電話をかけているのが僕なら、電話を受けて居る僕は一体誰なんだ・・それが分からなくて』

電話を挟んで二人の間に微妙な空気が流れます

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

振り込め詐欺などの事件が多くなっています

呉々もご注意願います

一難去って・・・

昨日夕方に義兄からの電話

意識を回復した姉の様子がおかしいという

急に泣き出したり、痛がったり、痛いのは当然だろう

しかし、容易く苦痛を現すような姉では無かった

大きな声で泣く、そんなことは40年近く連れ添って只一度も無かったそうで

私も全く記憶に無い

義兄は、或いは脳出血に伴う鬱症状では無いかと言った、脳出血を起こした患者は3割近い確率で鬱状態になり、回復に支障を来すという

しかし、義兄は冷静でもある

これは、一時機能を失っていた左脳が回復してきている証しなのでは無いか

左脳は知性を、右脳は感性を司る

実は、左脳の機能を失い、右脳だけの感覚で生きると言うことは、意外に幸福なのだそうだ

所謂悟りの境地というのだろうか、身の回り全てをありのままに受け入れ何も求めない

しかし、左脳が回復してくれば、失ったものに気付き、戸惑い、悲しむことを知る

長い目で見るならば、回復の大きな一歩と言える

流石は義兄である

普通の人ならば変化に戸惑い、慌てるだけだろう

この事態に、ここまで考えが及ぶ、将に姉に相応しい伴侶である、あらためて思う

姉の命の危険が去ったことで、漸く義兄らしさを取り戻したようだ

いずれにせよ長い戦いの始まり

私もまた、状況を見て姉の元に向かうことになる

同時に、自分の妻子も大切にしなければなるまい

今度のことでよく解った

幸福は何時もすぐ側にある、気付かないことが多いが

失いかけて初めて気付く、その悲しさを再び味わうことは出来ない

姉、生還

全てに感謝します

本日午前、姉の意識が無事に戻りました

懸念された脳出血は無く、順調に意識を回復したそうです

栄養チューブでは無く口からの流動食に変わり、固形物も少しは口にしたとのこと

術後、麻酔の切れる痛みは相当なものです

二度にわたる大きな外科手術、病一つしたことの無い姉にとって異世界の苦しみだったのでしょう

義兄の話では、かなり苦しそうだったとのことです

しかし、鎮痛剤の投与で収まり、食事を口に出来るほどになったとか

その痛み止めも、点滴では無く経口のものに変わったそうです

此処からは全て、回復に向けた訓練に変わってきます

心臓手術を行わなければ、何時心不全になるか分からない状態だった姉

その危険は大きく下がりました

今日から始まる戦いは、日常を取り戻すためのものとなります

日常の生活を送るため、そして義兄が掛け替え無いものだと言ったあの声を取り戻すための戦いです

長く厳しいものとなるでしょう、しかし、二人寄り添ってどんな困難も超えていってくれることを信じます

何時かまた、鎌倉の地を訪れることになるでしょう

その時どんな言葉を贈ろうか

今から考えます

長谷寺から望む由比ヶ浜、姉たちの暮らす町、何度でも訪れたくなる場所です

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果報を待つ

昨日夜、義兄から電話がありました

急転直下、本日午後一番で心臓手術が行われる事になったと言う事

当初予定の僧帽弁を人工弁に交換する手術、更に三尖弁を整形する術式も加えられるという話でした

感染性心内膜症は、さらに左心房の弁も傷つけていたのです

脳内出血のリスクは尚もあり、さらに血液凝固を抑える薬剤投与は万一の脳内出血で致命傷となり得る危険なもの、しかし、心臓の状態も一刻を争う事態です

本来ならば、今月11日、2週間以上前に予定していた手術

義兄の声は比較的落ち着いていました、しかし、内心の不安は如何ほどか

声の端々に、再来を望む思いが滲みます、不安なのでしょう、あれほどの人物でも

しかし、私は今は動けない、口惜しいけれど、先回の鎌倉行き、それに合わせて勤務のシフトを変えたため、シフトが戻るまで後2週間、動きが取れない状態なのです

有給休暇は手付かずで残っています、更に、勤続報償の休暇も数日ありますが、私が休めば支障が多過ぎる、実質二人で24時間操業しなければならない現状、理不尽とは思いますが、しかし、困るのは仲間であり、後輩達です

更に、自治会の役員の仕事も、ここ一ヶ月、溜まったものを片付けなければ、後で収拾が付かなくなる、こうなると何故安易に引き受けてしまったのか悔やまれます

やるせない思いを胸に父母の遺影に手を合わせます

どうぞ今一度、姉の身をお守り下さい、軈ては父母の元に参る身とは承知、しかし願わくは天命の尽きるその日まで、姉の命を存え下さい

義兄さん、どうか姉を見守って励まして下さい、姉にとって心から愛するひとだから

私は姉の強さを信じ、この場所で無事を祈り、良き知らせを待つこととします

三度鎌倉を訪れる日、姉の快気を祝う日であることを信じて